◼︎はじめに
最近よく耳にすることが多い『グルテンフリー』という言葉。
実際に、「グルテンフリー」について説明できる方はいますか?
「グルテン」が入っていない(フリー)食品のこと
と言う方が多いと思いますが、では「グルテンとは何ですか?」「効果効能」「オススメの食材」などについては知らない方も多いはず。
ダイエット法や健康法として知られていますが、本当に効果があるのでしょうか?
あなたはグルテンフリーダイエットをした方が良いのでしょうか?
それともしない方がいいのでしょうか?
当記事ではそのような疑問にお答えすべく、グルテンフリーの内容やその効果を分かりやすく解説します。
グルテンフリーについて正しく知って、自身の健康的な生活に役立てましょう。
◼︎グルテンって何?
1.小麦とタンパク質
『グルテン』とは小麦粉などに含まれる『グリアジン』と『グルテニン』という二種類のタンパク質を水分で捏ねることによって作られるタンパク質のことを言います。
パンやうどんを捏ねると、粘り気が出てくるのをイメージすると分かりやすいと思います。生の状態での粘り気や、火を通した時のモチモチ感の元となるのがグルテンです。
2.グルテン量
ちなみに小麦粉は、グルテンの量によって、その名称が異なります。
グルテンが多いものを強力粉、中くらいのものを中力粉、少なめのものが薄力粉と言われています。
一般的に強力粉は、パンやうどんなど、もっちりとした食品を作る際に使われますね?
薄力粉は、お菓子づくりに使われることが多いです。
グルテンはもともと小麦粉に含まれる成分ではなく、人が小麦粉を原料として食品を加工する際に作られる物質です。
◼︎グルテンが起こす身体の不調?
グルテンは人によっては身体に不調を来たすことがあります。
美味しさの上では、大切な「グルテン」ですが、「腸内環境の悪化」を引き起こすことが知られています。
グルテンの分解酵素を持っていない人は、グルテンを摂取することで消化不良や便秘、下痢、さらにはアレルギー反応を引き起こしてしまう可能性があるというのだ。
グルテンによる症状が深刻な人は、自己免疫性疾患である『セリアック病』、『グルテン過敏症(不耐症)』、『小麦アレルギー』などを引き起こすことがあります。
その予防・改善のために生まれたのが「グルテンフリー」です。近年は、免疫力の向上や食欲の抑制といった健康効果が注目されており、欧米を中心に広く取り入れられており、日本でも注目を集めるようになりました。
先ほど話した、「セリアック病」とは、グルテンを摂取することによって自身の小腸が過剰に反応して炎症を起こす自己免疫疾患です。症状は、下痢・低栄養・体重減少などがあります。
セリアック病は通常、遺伝性の疾患で、欧州では150人に1人ほど見られるようですが、日本では極めて稀にしか見られません。男性と比べて、女性で約2倍多く発症しているようです。
【MSDマニュアル 家庭版-セリアック病-より引用】
ですが、近年はセリアック病を持つ人は昔より増えてきていると言われています。
セリアック病と診断されなくても、小麦粉を原料とするグルテンを含む食品を摂ることで腹痛、下痢、倦怠感など不調を来たす体質を持つ人は少なくありません。
◼︎グルテンフリーとはどのような食事のこと?
最近では『グルテンフリーダイエット』などと言われ、世間で話題になるようになりました。
元々はセリアック病や小麦粉アレルギーによりグルテンを食べられない人に向けて作られる小麦粉除去食のことを言いました。
●主食にはパンや麺類を避け、ご飯を食べる
●パンを食べたい時も小麦粉を使用しない米粉パンを食べる
などの対応で、小麦粉から作られる食品を極力食べないようにするのが「グルテンフリーの食事法」です。
最近ではプロスポーツ選手やハリウッドセレブがグルテンフリーダイエットをしていることが話題になり、グルテンフリーダイエットが世間に知られるようになってきました。
「グルテンフリーダイエット」は、減量を目的とするダイエット法とは少し違います。
小麦粉の消化や代謝不良を防ぎ、<身体の不調を改善して、健康的で痩せやすい身体作りのための食事療法>と言えるでしょう。
◼︎グルテンフリーの効果
セリアック病を始めとした、グルテンで不調を起こしやすい人(グルテンへの耐性が弱い人)にとってはグルテンフリーの食事をすることで、「腸内環境が整えられ、健康的な身体を作る効果」が期待できます。
もしかしたら原因不明の体調不良が続いていたら、もしかするとグルテンへの耐性が弱い体質があるのかもしれません。
心当たりのある人は、試しにグルテンフリーの生活をしてみて効果を判断するのも良いでしょう。
また、「小麦粉の糖質やグルテンには依存性がある」と指摘する専門家もいます。
近年食生活の欧米化から、「日本人は小麦粉を摂り過ぎている」と言われるようにもなってきました。グルテンフリーの食事をすることによって、小麦粉の摂取が控えられ、太り過ぎを予防する効果も期待できるでしょう。
◼︎グルテンフリーの注意点
巷では、グルテンフリーが随分注目されるようになってきましたが、グルテンへの耐性に問題がない人にとっては「グルテンフリーの食事療法にはあまり意味がない」との見解もあります。
グルテンを除去する必要のない人が、過度に小麦粉を一切口にしない食事をしてしまうと、却って食生活に偏りが生じ、栄養面でのバランスを崩してしまう危険性があります。
小麦粉を受け付けない体質という訳でなければ、グルテンフリーにそこまで神経質になる必要はないです。
日本にはうどんやパンが大好きな元気ハツラツのご長寿もたくさんいます。
◼︎おわりに
「グルテンフリー」について、その内容や効果、注意点を解説しました。
グルテンフリーの効果はよく知られていますが、必ずしもグルテンが悪ではないことが分かってもらえたかと思います。グルテンフリーダイエットにはメリットとデメリットがあると言えるでしょう。
また、「グルテンフリー食」が広まった経緯も知ってもらえたかと思います。元々は、疾患の予防・改善として始まったんですね。
今日の記事で1番大切なポイントは、
●自分の身体の健康状態を良く見極める
●試してみる場合は無理のないように実践!
ということではないでしょうか?
ぜひ、「グルテンフリー」について正しい知識を持った上で、食生活の参考にしてみてくださいね!